
みなさま、人生のあれこれお疲れさまです。
老後のお金。
親のお葬式。
子どもの結婚。
自分の仕事。
夫の失業。
姑との同居。
ひとつでも大変なのに、「人生で起こりそうな面倒くさいこと、全部いっぺんに来たな」というくらい問題が押し寄せるのが、天海祐希さん主演の映画『老後の資金がありません!』です。
主人公の後藤篤子は、老後のためにコツコツお金を貯めてきた普通の主婦。
それなのに、予定外の大きな出費や失業が続き、頑張って貯めた老後資金がどんどん減っていきます。
扱っているのはかなり現実的な問題ですが、映画全体はコメディ色が強め。
天海祐希さんが「どうすんのよ!」と言いたくなる出来事に次々と巻き込まれながら、それでも家族と生活を続けていきます。
仕事や家事を終えた夜や、休日に「難しいことは抜きにして、笑える邦画を一本観たい」という時にも選びやすい作品です。

お金や老後をテーマにした作品は気になるけれど、重たい映画は避けたい人におすすめ。
『老後の資金がありません!』ってどんな映画?
『老後の資金がありません!』は、垣谷美雨さんの同名小説を原作に、2021年10月30日に公開された映画です。
主人公は、天海祐希さん演じる後藤篤子。
夫の章、娘のまゆみ、息子の勇人と暮らしながら、老後のために節約してお金を貯めています。
ところが、義父の葬儀や娘の結婚など、まとまったお金が必要になる出来事が次々と発生。
さらに篤子自身がパートの仕事を失い、夫の章が勤める会社まで倒産してしまいます。
そこへ加わるのが、草笛光子さん演じる姑・芳乃。
長年、浅草の老舗和菓子店のおかみとして暮らしてきた芳乃は、節約生活を送る篤子とはかなり違う金銭感覚の持ち主です。
節約して老後資金を守りたい篤子と、お金の使い方が豪快な芳乃。
家計だけでも大変なのに、家族の問題まで次々と追加されていく。
そんな状況を、深刻一辺倒ではなくドタバタコメディとして描いていきます。

もはや老後資金だけでなく、子どもの結婚問題や嫁姑問題などてんこ盛り。
人生の面倒くさいこと全部盛り、『老後の資金がありません!』の好きなところ
天海祐希さんの「普通の主婦」っぷりがかなりいい
最初に好きなのが、天海祐希さん演じる篤子です。
天海祐希さんというと、仕事ができる強い女性の役も多いですが、本作では節約に頭を悩ませる主婦。
冒頭では、使い込んだバッグを持ちながら、店頭に並ぶ新しいバッグを眺めます。
欲しい。
でも、老後のことを考えると簡単には買えない。
そんな生活感のある場面から始まります。
さらに仕事を失ったあとには、コンビニで働き始める篤子。
お金の計算をして、家族の出費に頭を抱えて、それでも生活費をどうにかしようと働く姿がかなり現実的です。
でも、ただ振り回され続けるだけではありません。
次から次へと問題が起きても、なんやかんや動く。
夫が失業した時にも、そこで全部投げ出すのではなく、次にできることを考えます。
「大丈夫だから強い」のではなく、「大丈夫じゃないけど、とりあえず動く」タイプの強さ。
この篤子が主人公だから、問題山積みの物語でも最後まで観やすいです。
老後、お葬式、失業……重たい話なのに笑える
本作で扱われる問題だけを並べると、かなり重たいです。
老後資金が足りるのか。
親のお葬式にいくらかかるのか。
仕事を失ったらどうするのか。
子どもの結婚にどこまでお金を出すのか。
親と同居することになったらどうするのか。
普通なら一本の映画に一つでも十分なくらいですが、本作では容赦なく重なってきます。
それでも作品全体が沈み込まないのは、困った出来事そのものをコメディとして転がしていくから。
お金が減るたびに篤子は焦りますが、登場人物たちの言動が強烈なので、シリアスな状況なのに笑ってしまう場面があります。
「老後について正しく勉強する映画」というより、老後やお金の面倒くささを笑いながら眺める映画くらいの距離感です。
最大の敵かと思った姑・芳乃との関係が面白い
序盤でかなり強烈なのが、姑の芳乃です。
節約したい篤子に対して、芳乃の金銭感覚はかなり豪快。
作中では2万4,000円のすき焼き用牛肉まで登場します。
「老後資金がないと言っている家で、それを買う!?」となるレベルです。
最初は完全に篤子の家計を圧迫する存在。
ラスボス候補にしか見えません。
でも、一緒に暮らしていくうちに、嫁と姑という立場だけではない関係が少しずつできていきます。
ここがかなり好きなところです。
篤子と芳乃は、金銭感覚も性格もかなり違います。
だからこそ、最初から気が合うわけではありません。
それでも一緒に過ごし、買い物をしたり、さまざまな騒動に巻き込まれたりする中で距離が変わっていきます。
「嫌な姑をどうにかする話」で終わらず、いつの間にか篤子と芳乃のコンビを見るのが楽しくなる。
この二人の関係は、本作の大きな見どころです。
老後の暮らしは「これしかない」じゃなくてもいい
本作には、お金を貯めて自宅で老後を迎えることだけではなく、いくつか違った老後の形も登場します。
芳乃が企画する生前葬も、そのひとつ。
さらに物語の後半では、篤子たち自身もそれまでとは違う暮らし方を選ぶことになります。
ここはかなりネタバレになるので詳しくは書きません。
でも面白いのは、「老後にはこれだけ貯めて、この暮らし方をしなければならない」と一つの正解を出す映画ではないところです。
お金はもちろん必要。
でも、お金だけを守ろうとして今やりたいことまで全部我慢するのか。
誰と、どこで、どう暮らしたいのか。
芳乃の生き方や、篤子が自分のためにお金を使う場面を見ていると、「老後のため」だけではなく、今の生活とのバランスも見えてきます。

不安だから全部我慢するんじゃなく今の自分の楽しみも残しておく、という前向きさもある。
こんな人におすすめ
老後やお金を扱った作品の中でも、かなりコメディ寄りです。
特に、
・老後資金というテーマには興味があるけれど、暗い作品は避けたい
・家族のドタバタを描いたコメディが好き
・天海祐希さんのコメディ演技が好き
・嫁と姑の関係が変わっていく話が好き
・現実的な問題を笑いながら観られる映画を探している
という人におすすめです。
逆に老後資金について具体的な金額や制度、資産形成の方法を詳しく知りたい場合は、この映画だけで勉強しようとする作品ではないと思います。
お金の不安をテーマにしながら、「人生、予定どおりにはいかないよね」と少し肩の力を抜いて観るコメディ。
そのくらいの気持ちで観るのがちょうどいい作品です。

リアルとコメディのバランスがちょうど良い。
まとめ
『老後の資金がありません!』は、まさに人生の面倒くさいこと全部盛りコメディです。
お葬式、結婚、失業、姑との同居、老後資金。
問題は全然なくなりません。
それでも篤子は、その都度「じゃあどうする?」と動いていきます。
そして、最初は家計を脅かす最大の敵に見えた芳乃との関係まで少しずつ変わっていく。
老後のために準備することはもちろん大切。
でも、将来を心配しすぎて今を全部我慢するのも少し違うのかもしれません。
人生は予定外のことだらけだから、全部を完璧に準備しようとせず、少し肩の力を抜いておく。
そんな気分で観られる、明るい老後コメディです。

生活のため、家族のためだけじゃなく、たまには自分のためにもお金や時間を使おう、と思える映画。
個人的な評価
超個人的な評価です。
| 項目 | 評価 | ひとこと |
|---|---|---|
| 癒し | ★★★☆☆ | 問題は多いものの、人間関係には明るさがある |
| コメディ | ★★★★☆ | 重たいお金の問題をドタバタに変えていく |
| 気軽さ | ★★★★☆ | 老後がテーマでも全体は明るく進む |
| 生活リアル度 | ★★★★☆ | 葬儀、失業、結婚など現実的な出費が次々登場 |
| おすすめ | ★★★★☆ | 笑える家族ものや天海祐希さんが好きな人におすすめ |
作品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 老後の資金がありません! |
| 公開日 | 2021年10月30日 |
| 上映時間 | 115分 |
| 原作 | 垣谷美雨『老後の資金がありません』 |
| 監督 | 前田哲 |
| 脚本 | 斉藤ひろし |
| 音楽 | 富貴晴美 |
| 主演 | 天海祐希 |
| 主な出演 | 松重豊、新川優愛、瀬戸利樹、草笛光子ほか |
| 主題歌 | 氷川きよし「Happy!」 |
| 制作 | ツインズジャパン |
| 配給 | 東映 |

人生の面倒くさいこと全部盛り物語をコメディで楽しもう。
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